車載用LiDAR技術について

考察

はじめに

昨今、世間では5GやDX(Digital Transformation)など生活とデジタル技術のつながりについてがトレンドとなっています。そのなかで自分の研究分野と密接に関係し、世間のトレンドとも関係しているLiDAR技術についての一部をまとめてみました。

LiDARとは

LiDARとは「light detection and ranging」の略称で「光による検知と距離測定」といった意味です。光でレーダーを行うといったもので、電磁波を使うレーダーに対して、レーザー光を使うLiDARは高い精度で位置や形状の検出が可能となっています。

引用元

LiDARは環境計測(気象情報を検出する)や地震学などにも使われていますが、今回はより身近な応用として考えられる車載用LiDARに注目しました。

自動運転・先進運転システム(ADAS)について

まずはじめに、後述しますが車載LiDARは自動運転・ADASを達成するためには欠かせない技術の一つとなると考えられています。そこでそもそも自動運転・ADASが達成されることによる社会的なインパクトを考えました。

自動運転が達成されることで「交通事故のない安心のできる社会」「渋滞を減らせる(数兆円レベルの経済的損失の要因といわれている)」「高齢者などの移動困難な人が移動できる社会に」などの大義があるといわれています。また、工場や倉庫など限定された空間においても自動運転技術が達成することで人員の削減や作業効率化などが見込まれると考えられます。

引用元

また、自動運転の進捗についてです。自動運転はよく知られている通りレベルが5つ(国土交通省資料参考)に分かれていますが、現状予定はすべて達成できているとは言い切れません。しかし、2024年に工事が完成する静岡県の「ウーブンシティ」やレベル3の自動運転技術を搭載するホンダのレジェンドが2021年3月に発売されていることから、積極的に研究が進んでいることがわかります。細かい進捗は「自動運転LAB」に記されているので参考にしてください。

車載LiDARの重要性

自動運転におけるLiDARは周りの環境を把握するためのセンサーとして用いられます。このセンサーには主にカメラやミリ波レーダー、LiDARが候補として挙げられます。

ベル2では、主要な検出対象である車両以外の事故の要因となる落下物や人間などはドライバーが直接対処することになりますが、レベル4以上ではこれらの障害物も検出対象として加わります。ミリ波レーダーは車両のセンシングは可能ですが、分解能が低いことから障害物の検出は難しいとされています。よって、カメラかLiDARがレベル4以上の候補となります。

カメラはパッシブな素子であり、夜間や雨天、逆光などの周囲の光量の影響が大きいです。また、距離を測定するためには2つのカメラを離して設置し、その視差から距離値が得られます。このとき、カメラ間の距離に比例して距離分解能が高くなるため装置が大型化しやすいです。

以上の点から、レベル 4 以上の自動運転を視野に入れると、LiDAR を利用した物体認識機能の実現が重要であると考えられます。

LiDAR関連のわかりやすい参考サイト

キーエンス自動運転実現で注目を集めるLiDARのしくみと種類

博士論文低解像度 LIDARを用いたスキャンライン数の変化に ロバストな物体分類手法に関する研究

ビジネスITLiDAR」とは何か、自動運転で注目の光センサー技術をわかりやすく解説

LiDAR関連のニュースサイト

techcrunch

optipedia

optronics

コメント

タイトルとURLをコピーしました